【ターンテーブル動画】 E.クライバー/ベルリン・フィル シューベルト『交響曲第8番ロ短調 《未完成》』(1934)78rpm E.Kleiber Schubert #8

「巨匠時代指揮者」のひとり、エーリヒ・クライバー(Erich Kleiber, 1890-1956)が、1934年5月にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してレコーディングしたシューベルトの『未完成交響曲』。
クライバー自らはユダヤ系ドイツ人ではなかったが妻はユダヤ系であったため、1933年にナチス政権が樹立した後、身の危険を気にかけていた。そして翌34年11月にベルクの『ルル交響曲』の初演禁止令が直接の要因となり、1935年夏、ザルツブルク音楽祭出演後、妻、息子のカルロスや娘とアルゼンチンへ移住した。
この『未完成』はそんなクライバーの転機、危機のさなかに録音されたものと言うことになる。

この時代の巨匠指揮者の『未完成』と言えば、やはりブルーノ・ヴァルターとウィーン・フィルハーモニーの1936年の録音をまず思い起こす。クライバーの録音の2年前、ほぼ同時代の演奏だ。
情緒を重んじた感傷的なワルターのそれと較べ、クライバーのそれは彼の音楽性の特徴でもある格式を持ちながらも、簡単には情に流されないものだ。

息子カルロスは後年ウィーン・フィルハーモニーとこの曲を録音しているが、父の音楽性に明らかに影響を受けながらも、より流麗で熱のある音楽を作っているように思える。

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