ヨハン・シュトラウス 2世 ワルツ《美しく青きドナウ》 Op 314

1866年、オーストリアとプロセインの間に起きた戦争は、わずか七週間という短期間でプロセイン勝利に終わりました。

戦いに敗れた痛手からウィーンの街は失意に包まれていました。
傷ついた兵士たちと、夫や子供を失った夫人たちの悲しみは、かつての華やかな雰囲気を完全に街から消し去っていました。

当時、ウィーン男声合唱団の指揮者だったヨハン・ヘルベックは、そんなウィーンを歌でもう一度活気づけたいと考えました。
そこで当代一の作曲家であったヨハン・シュトラウス2世に、
そのための合唱曲の作曲を依頼したのです。
ドナウはウィーン子たちにとって母のような心の拠り所となる川。
シュトラウスはそのドナウ川を賛美する一篇の詩に、ウィーン復興への思いを込めて旋律を重ねました。

ある夜会でシュトラウス夫妻に招かれたブラームスは、夫人から差し出された扇子に「美しく青きドナウ」の音符を書き「残念ながら、ヨハネス・ブラームスの作にあらず」とつけ加えたということです。

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