★ベルリン・フィル恒例の大晦日のジルヴェスター・コンサート。1977年から2019年の間に行われた中から20のコンサート映像をまとめたブルーレイ・ボックスが発売されます。
★以前DVDボックスとして発売されていましたが、今回は内容を一部変更し、さらにディスク未発売の2つのコンサートが追加されています。
ひとつは、スター・ピアニスト、ラン・ランをソリストに迎えた2009年。曲目は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、チャイコフスキーの『くるみ割り人形』第2幕と、ロシアものをあまり指揮しないラトルとしては、珍しいプログラムでした。ラン・ランは翌2010年シーズンの「ピアニスト・イン・レジデンス」にも招かれており、まさに上昇気流乗っている只中。そのラン・ランが登場したラフマニノフのピアノ協奏曲第2番では、ラン・ランの輝かしい音色と正確なテクニック、派手なパーフォーマンスで大喝采を浴び、後半は、ベルリン・フィルの華麗な演奏技巧とラトルの洗練された音楽作りに魅了された『くるみ割り人形』。コンサートマスターは、当時入団したばかりの樫本大進が務めています。
もう一つは、2011年のチャイコフスキー国際コンクール優勝以来、若い世代の最も有望なピアニストのひとりとして、聴衆と批評家の熱い支持を集めているダニール・トリフォノフ。2016年のジルヴェスターコンサートが彼にとってのベルリン・フィル・デビューとなりました。今回は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番という、「技術的に最も難しいピアノ・コンチェルト」が取り上げられました。トリフォノフの超絶技巧と優れた音楽性が存分に発揮されています。曲目は、カバレフスキーの《コラ・ブルニョン》序曲、ウォルトンの《ファサード》というサー・サイモン・ラトルならではのひとひねりした選曲が目を引きます。
他にも、歴代の首席指揮者が登場。カラヤン全盛の1977年の「第9」、2000年12月に新世紀の幕開けを祝って行われたアバド指揮の「グラインド・フィナーレ」と題されたコンサート、ラトルは多彩なプログラミングで聴衆を楽しませ、そして最新2019年新首席指揮者キリル・ペトレンコのコンサートまで、忘れられない貴重な20のコンサートが収録されています。
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