ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=22074 / CC BY SA 3.0

#ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
#ウィーンのオーケストラ
#1842年設立
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(、)は、音楽の都ウィーンを代表する管弦楽団(オーケストラ)である。ウィーン楽友協会大ホール(ムジークフェラインザール)に本拠を置く。正式な略称はドイツ語表記より”WPh”であるが、もっと簡単にWPともする。英語表記の頭文字を取って”VPO”と表記されることもある。

ウィーン国立歌劇場のオーケストラであるウィーン国立歌劇場管弦楽団(6管編成・150名ほど)の団員のうち、入団を認められた者が自主運営団体たるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(5管編成・120名ほど)を構成する。大型の編成を求められる曲(マーラーなど)では、国立歌劇場の団員もエキストラとして出演する場合もある。

1933年以来、常任指揮者は置いていない。定期演奏会のプログラムは楽団にて自主決定され、その上で、指揮者、独奏者、歌手を楽団が招聘する。責任者である楽団長は選挙で選ばれる。

定期演奏会はあくまでも年間契約者に対しての予約販売であるため、現地でも入手困難である。

管楽器はウィンナ・ホルン、ウィンナ・オーボエ、ウィンナ・トランペット、ウィンナ・パウケンなど、ウィーン独自の伝統的なスタイルのものが使われている(近年職人の減少により日本のヤマハがこれらの楽器の開発と製作に携わっている)。弦楽器は、コンサートマスターの一部を除いてオトマール・ラング工房で製作されたものが用いられている。フルトヴェングラーは、かつて自分が監督をしていたウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団(現ウィーン交響楽団)でウィーン・フィルの使っている弦楽器を使用してみたが、ウィーン・フィルのような美しい響きを作り出すことはできなかった、と語っている。
演奏はウィーン・スタイルであり、ウィーンの音楽センス(“私たちの音楽”)を持った指揮者でなければ指示に容易には従わない。ギュンター・ヴァントがウィーン・フィルに「譜面通りきちんと弾くよう」に指示したところ、コンサートマスターのウィリー・ボスコフスキーから「やめなさい。そんなスミをほじくるの僕らは好きじゃない」と言われて拒否されたという。逆に、コンサートマスターのライナー・キュッヒルは「良い指揮者とは私たちの音楽を邪魔しない指揮者のこと」と語ったうえで、「(ウィーン・フィル名誉指揮者の)カール・ベームは天皇様のように怖かったです(無条件に従っていたということ)」と回想している。そのカール・ベームは「ウィーン・フィルは、良くない指揮者をバカにする。そして『あのエロイカのテンポは完全に間違いだ』『それなら我々の方がよく知っている』とみんなで言い始める。ウィーン・フィルでは指揮者がよくないと、全くバラバラになってしまうのです。こんなことはベルリン・フィルでは決して起こりません。ただしウィーン・フィルでは全員にインスピレーションを与えられた時には、本来の姿よりもはるかに偉大なことをやり遂げるのです。およそ考えうる限りの素晴らしいことを実現します」と語っている(1975年に来日した際のNHKインタビュー)。

定期演奏会は楽団にて自主決定されるため、たとえウィーン国立歌劇場の総監督や音楽監督であっても、楽団員から認められなければ指揮者として呼ばれることがない。定期演奏会の指揮回数を見ても、ベームが57回と最高であり、次に多いのはウィーン国立音楽大学出身のアバドやメータである(アバドが41回、メータが29回)。
レコード会社の都合で度々共演していたゲオルク・ショルティも、定期演奏会には8回しか呼ばれることはなかった。

しかし、古楽の演奏法が理論的に浸透するに連れて、当時のピッチやボーイング、ヴィブラート、テンポ、バランスなどの点で指揮者の意見が通る例が増えてきている。現代曲のグリッサンドが必要なティンパニの場合はペダル式のドイツのギュンター・リンガーのものを使用するか、第2奏者が調律ねじを操作する(通常はシングルハンドル式のウィンナ・ティンパニを使用する)。

楽器配置は「対向配置」(第一ヴァイオリンがと第二ヴァイオリンが指揮台をはさんで「対になって向き合うように」配置する方法。時計回りに、第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンの順に配置)であり、打楽器は左手奥へ、コントラバスは金管の後ろ、オーケストラの一番後ろの列で横一列に並ぶのが一般的である。また、弦楽器が指揮者の周りを時計回りに、第1ヴァイオリン、第2ヴ…

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