約10年ぶりの来日を果たす、世界的ヴァイオリニスト、ジョシュア・ベル。
フランスが誇る世界最高峰のオーケストラ、パリ管弦楽団との共演に向けたスペシャル・インタビューをお届けします!
ダニエル・ハーディング指揮 パリ管弦楽団
(ヴァイオリン: ジョシュア・ベル)
11月、東京、京都ほか全国6公演を実施。
2016年
●11月20日 (日) 15:00
京都コンサートホール
http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=549
●11月24日 (木) 19:00
東京芸術劇場コンサートホール
http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=550
ブリテン: オペラ「ピーター・グライムズ」から 4つの海の間奏曲
ブラームス: ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77
ベルリオーズ: 劇的交響曲「ロメオとジュリエット」 op.17 から(抜粋)
●11月25日 (金) 19:00 開演
東京芸術劇場コンサートホール
http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=556
メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
マーラー: 交響曲第5番 嬰ハ短調
★その他来日ツアー日程はこちら
http://www.kajimotomusic.com/jp/artists/k=205/
洗練の知性がパリ管と新しい伝統を。ここに花開く、華麗なる音とバイタリティ
■パリ管のルーツは音楽史そのもの
パリ管弦楽団は、由緒あるパリ音楽院管弦楽団が1967年、真に国際的な楽団をめざして発展的解消したことで誕生した、ということはファンなら誰もがご存知と思います。このパリ音楽院管・・・古くの名はパリ音楽院演奏会協会が創設されたのは実に1828年。ベートーヴェンが亡くなった翌年です。まさにこのベートーヴェンの交響曲群をフランス初演し、それ以前のハイドンやモーツァルトらの作品を公衆に紹介していくとともに、同時代に生まれた作品を続々と初演・・・当然近代ではドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキーらの楽曲も紹介していったわけです。その流れは、もちろん大作曲家たち自身にも大きな刺激を与えたはずで、メンデルスゾーンはこのパリ音楽院演奏会協会を手本に、ライプツィヒにゲヴァントハウス管弦楽団を整備、J.S.バッハ作品の蘇演や、自国の同時代作曲家の紹介を行っていくことになるのです。
■パリ管の魅力
さて、このように音楽史そのものを築いてきたルーツを背景にもつパリ管。彼らの演奏の魅力に目を転じれば、なんといっても腕利き揃いの木管・金管楽器をはじめとする音色の豊かさ、鮮やかさ、そしてそれらが合わさって全体から発するエネルギッシュで洒脱な華やかさです。その当時の「現代音楽」たちを最高のパフォーマンスで紹介してきた“前向き”“柔軟”なDNAは、脈々とそうしたパリ管の魅力と一体となって受け継がれています。
■先鋭的な新音楽監督とのケミストリーに期待
今秋、パリ管の音楽監督は快活で前進的なP.ヤルヴィから、さらに先鋭的で人気の若きマエストロ、ダニエル・ハーディングにそのバトンが渡されました。ハーディングといえば、近年では新日本フィルと日本でも多くの名演が聴かれますが(両者とも日本の楽団と縁が深いところが面白い)、アバド、ラトルの薫陶を受けた若い日から、一貫して緻密で凝ったコンセプティングな音楽解釈と躍動的なエネルギーをもって新鮮な演奏を展開してきた“アンファン・テリブル”。この人がパリ管と組む、というのは意外でしたが、常に刺激的なヴィジョンを見据えるDNAは一緒。
今回の来日公演でも、ハーディングが得意な、故国のストイックな大作曲家ブリテンの「ピーター・グライムズ」から、そしてパリ管の十八番であるベルリオーズの(滅多に来日公演では演奏されない)「ロメオとジュリエット」から、と双方をたてる曲目を用意し、そこに充実著しいジョシュア・ベルが共演する、ドイツのブラームスを組み合わせるという、一筋縄ではいかない選曲がされています。
色々な意味で興味津々、今回のパリ管来日公演にご期待ください!